耽美な欲望と倫理の狭間に揺れる朗読文学──『淫獣の暴走』Audible版レビュー
官能小説と聞いて敬遠するには惜しすぎる──田沼淳一の『淫獣の暴走 妻の母を、妻の妹を』は、
欲望と孤独、そして癒やしと狂気のあわいに立つ男女の心理を、緻密に描いた純文学的官能作品です。
今作は、39歳の未亡人との交錯から始まり、
その官能の熱が17歳の妹・亜衣へと静かに、しかし確実に波及していきます。
📖 あらすじ
主人公は、失われた情熱を未亡人に見出し、やがてその関係の中で、自身の支配欲と孤独を知ることとなります。 しかし、その未亡人の存在が、かえって少女の無垢を際立たせていく。 そうして物語は、理性と本能の板挟みの中で、より深く壊れていく男女の心を描いていきます。 情景描写は極めて丁寧で、行為の濃密さよりも、沈黙や呼吸の揺らぎに意味を込めるような美しさがあります。 それを朗読するのは、山本春画。抑制された色気と、決して下品にならない読みのトーンが絶妙です。💬 読者・リスナーの声
- 「肉体ではなく、魂の渇きを描いた官能小説。文学として聴く価値がある」
- 「声の演技が作品世界を一層引き立てていて、聴いていて心地よい緊張感が続く」
- 「ストーリーに厚みがあり、官能描写にもどこか哀しさと詩情がある」
📘 作品情報
- 著者：田沼淳一
- ナレーター：山本春画
- 再生時間：8時間21分
- 配信日：2016年5月30日
- 出版社：フランス書院
- 価格：¥3,000 または1コイン
- 言語：日本語
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